アサルトリリィ Lost Memories 、忘れても…溢れてるよね。

イベント感想文

このブログを書いている間にもどんどんと記憶は薄れていき、輪郭がぼやけていく。見た景色をありのまま残すことはできない。だが、僕に書けるだけのことは書き留めておきたい。

舞台『アサルトリリィ Lost Memories』を観てきた想い出だ。

電車に乗る

電車に乗って現場に行く喜び。

田舎出身の僕は、電車ですぐにイベント会場に行けるこの環境を、今でもとてもありがたく思っている。

今回向かうのは池袋、サンシャイン劇場。舞台『アサルトリリィ Lost Memories』を鑑賞しに行く。

湘南新宿ラインの道中、徐々にビルが多くなっていく景色を眺めてウキウキしながらも、しかし、1つ気に掛けていたことがあった。

キャスト陣に起きた様々な不測の事態についてだ。

今回のアサルトリリィは、2022年1月20日からの開催。2021年の年末からくすぶり始めた新型コロナウイルス オミクロン株の流行が本格的になってきた時期である。

残念ながら、開催直前の1月18日に2名のキャストさんの降板が発表された。芹沢千香瑠役の野中深愛さんと、飯島恋花役の石飛恵里花さん。なかなか防ぎようがない状況下である。ファンはただただお2人を心配し、その無念さや悔しさに寄り添うほかなかった。(石飛さんについてはPCR検査陰性で、のちに甲状腺疾患による発熱であったことが発表された) 一方、代役として、芹沢千香瑠役には小菅怜衣さん、飯島恋花役には久留島璃生さんが起用され、舞台自体は予定通り開催されることも決まった。

僕は、舞台については疎く、今回の出来事で初めて「アンダーキャスト」という存在を知った。メインキャストと同じように稽古し、万一メインキャストが舞台に立てない場合に代役を務めるというものだ。不測の事態が起こらなければ、アンダーキャストは稽古だけで仕事が終わり、本番の舞台には立たない。エンタメの世界には、僕らには見えない水面下で色んな人が汗水流していることを改めて認識した。

そうしたトラブルを乗り越えての開催となった。

が、事態はそれだけにとどまらなかった。

舞台2日目の1月21日、昼公演でキャスト1名が負傷。同日の夜公演と、翌1月22日昼夜の計3公演が中止となった。負傷したのは安藤鶴紗役の紡木吏佐さん、つむつむだった。ぎっくり腰だった。おそらく何かの不注意というわけでもないだろう、誰も悪くないはずだ。でも、つむつむのツイートには謝罪の言葉と悔しさが書かれていた。僕らはやはり、その悔しさに寄り添うほかなかった。

代役は矢新愛梨さんが務めることとなった。稽古をやってきたとは言え、途中からの出演で緊張もすごかったのではないかと想像した。

こうしたトラブルを乗り越えて公演される舞台。

それを観に行く。

ただの客である自分も、どこか身が引き締まる感覚を持っていたのである。

そんなことをグルグルと思っているうちに、電車は池袋に到着した。

トイレに行く

電車を降りて、まず向かうのはトイレだ。

「トイレは行けるときに行け」は「推しは推せるときに推せ」という言葉より大切である。

僕はこれまでにも、様々なライブやイベントに行ってきた。その中では何度か、残念なことに上演中トイレで席を立ってしまったことがある。興奮や緊張でどうしようもなく催すこともあり、それはもうあきらめるしかないのだが…イベントを存分に楽しむためにできる限りのベストは尽くしたい。

特に個室については、余程お腹がスッキリしている状況でない限り、会場の最寄り駅から会場までの間の施設で一発行っておく。会場内ではどうしても個室に列ができてしまうので、一歩手前で行くのがベストだ。

イベント前というのは、キャストさんやスタッフさんが一番気を張って準備を整えているのだと思う。しかしその裏で、客もまたこのように気を引き締めて準備を整えているのである。

写真を撮る

イベント会場の周辺に着くと、僕はいつも写真を撮る。自分がそこにいた証を残したいのだ。なので、自撮りをする。

30を過ぎた男が一人、会場の入り口やポスターの横でニコニコと自撮りをするには相応の気合いが必要となる。しかしそこまでして写真を撮りたくなるのは、自分が田舎出身ということもあるかもしれない。関東に来てそれなりに長くはなるが、それでも都会のイベント会場に来たという特別な想いは色あせないのである。

今回のアサルトリリィでは、サンシャインシティ地下道のポスター、文化会館エレベーター横のポスター、サンシャイン劇場入口や、サンシャイン広場などで、周りに迷惑をかけないようタイミングを見計らいバシバシ撮った。

ハンバーガーもおいしそうである。
ちょうど人がいなかった。やったぜ。
顔半分だけでも写っておく。
イベントの帰りに撮る写真は、イベント前の写真より笑顔がすてきだ。

こういうところから楽しむことで、参加するイベントの付加価値を勝手に引き上げることもできる。

入場する

一通り、写真を撮ったらいざ入場。

入場口に行くと、そこには岡田さんがいた。

岡田さんはアサルトリリィプロジェクトの音楽プロデューサーの一人。ミルキィホームズプロジェクトにおいては統括プロデューサーを務められ、素晴らしい企画、イベントを成功させてきた立役者でもある。そんな岡田さんがアサルトリリィに携わってくれていることは、ファンとしてとてもうれしく、また、ありがたく思っている。

そんな岡田さんを見かけて、軽く会釈をすると、岡田さんから逆に深々とお辞儀を返された。

様々なトラブルに対処し、大変な状況であろう中、わざわざ深いお辞儀をしていただく姿。恐縮千万だった。思わず僕も深くお辞儀し返す。そんな岡田さんのスーツ姿がまぶしかった。ちなみに、岡田さんはどうやら僕の1~2歳下らしい…僕はもう趣味に生きようと覚悟を決めさせてくれる、そんな存在でもある。

改めて趣味に生きる覚悟を決めた僕は、入場した後、特典引換所に向かった。

今回のアサルトリリィでは、会場特典としてブロマイドがもらえた。SS席は全23種、S席はランダムで2枚、A席はランダムで1枚。

1月23日夜公演での引き換えでは、前日中止になった夜公演の分含め、全23種を2セット受け取った。

SS席の特典は真っ白な箱に入れられている。感染防止のシート越しに係の人がドスッと机に置いた2箱の特典を見て、思わずパチンコで大当たりでもしたかのような感覚に陥った。

そんなホクホクした気持ちで劇場内に入っていく。

千秋楽までで、合計3箱+2枚もらえた。いっぱいありがとうございます。だが、その分チケット代は…、言うな。

開演まで待つ

今回のアサルトリリィ、僕は1月23日夜公演、1月29日夜公演、1月30日千秋楽と3度鑑賞しているのだが、この文章ではそれらの想い出の良い所を抽出し、ブレンドさせて書き残したい。

それで、まず書き残したいのは、座席に到着した時のウキウキである。

1月23日は前方3列目の下手側だった。想像していた10倍は目の前に舞台があった。「これキャストさんと絶対同じ空気吸えるわ」と、ご時世的に不謹慎なことを思ってしまった (実際は十分に距離が離れています)。1月29日は前方2列目の上手側。前回とは逆の位置での鑑賞に期待が膨らんだ。1月30日は14列目の下手側。前の2回と比べると後方にはなるが、想像していたよりも舞台は近くに感じ、かつ、舞台全体も視覚に収まる。バランスの取れた良い席だと思えた。

3日とも素晴らしい席で鑑賞できたことはまさに僥倖。今後も良い行いを心掛け運気を上げていこうと思えた。

そして、席に着いてやることは、これまた写真撮影である。

アサルトリリィの舞台では、開演前にスクリーンに表示される各キャラクターのスライドを写真撮影できる。表示される1枚1枚をすべてスマホに収める。

残念ながら、メインキャストが降板となった3人は表示されなかった。改めて降板した3人に想いを馳せるとともに、代役のキャストさんに対する応援の気持ちも高ぶるのであった。

代表して雨嘉さんの写真を貼っておく。

そして、最後に、トイレに行く。トイレは大事だ。

座席列の真ん中あたりにいると、席を立つ際、周りのお客さんにも立ってもらったり荷物どかしてもらったり、ご面倒をおかけしてしまうのが心苦しいが、そこは何卒ご容赦いただきたい。自分が端の席にいる際はもちろん快く席を立つようにしている。

開演15分前にトイレに行き、水分を出し切るのがハンバーグモングラーの流儀だ。これで持たなかったらあきらめる。その覚悟で絞り切る。

そして座席へ戻って、いよいよ開演である。

オープニングで焦げる

前作舞台のダイジェスト映像が流れ終わり…薄暗い舞台から現れるのは、夏吉ゆうこさん演じる夢結様。

改めて感じた…

生のキャラクターがそこに存在するという贅沢!…これこそ舞台の醍醐味だと僕は思う。

そして、CHARMを振りかざしながら登場する一柳隊。目の前で舞う9人のなんという凛々しさ。

さらに、はけ際に放たれる雨嘉さんの一撃、あれは下手側の座席にいた僕の脳天を確実に貫いていた。なんというファンサービスだ(一部妄想を含む)。

場面は一柳隊の会話のシーンへ。

回想する形で、今回の舞台で登場するリリィたちが一気に紹介されていく。

まずは、ヘルヴォル。夏目愛海さんが演じる幼女(風)の藍ちゃん、三村遙佳さん演じるクールな瑤様、久留島璃生さんが演じるギャルの恋花様、藤井彩加さんが演じるTHE真面目の一葉さん、小菅怜衣さんが演じる母性溢れる千香瑠様が、それぞれの魅力を一動作一動作余すことなく表現しながら登場。

次いで、中村裕香里さん演じる幸恵様が華麗なCHARMさばきを見せ、宮瀬玲奈さん演じる来夢さんが後に続く。

最後は、西葉瑞希さん演じる初様と石井陽菜さん演じる純様の船田姉妹。やさし気なお姉さんだがどこかミステリアスな初様と、高飛車つんつん女子の純様の魅力的な双子である。

各ガーデンのリリィが豪華に登場した後、一柳隊の一人一人が外征への決意を口にしながら舞台の前に並び始める。

そして、

その光景は放たれた。

「一柳隊、出撃!」

……

………!!あああああ

目の前に差し出された……推しのなんという美しい開脚。

まぬけにあんぐりと開いた僕の口は、幸いマスクで隠されている。しかし、くわっと見開いた目には、推しから放たれる輝きが何ら遮光されずに網膜を突き破り、奥にある脳ミソを真っ白に焼き焦がした。

意識を取り戻そうとする間にも、流れ始めているのはテーマ曲『想い出が溢れてる』

――忘れないように 深く深く繰り返しながら ただ君を想ってる――

「雨嘉さん…!!」

歌詞を聞きながら脳内で叫ぶ。

大体お気づきだろうが、僕の推しキャラは遠野ひかるさん演じる王雨嘉である。

「はあ…!!」

目の前で舞い踊る雨嘉さんに、ドーパミンの制御が効かなくなる。

優雅な振り付け、でも引き締まった身のこなし。

「ぐぁ…!」

「ぎぃ……!」

景色の美しさが情報過多で、言葉にならない興奮が脳内を輻輳し、口が合唱部の「あ」とか「い」とかの形になる。マスクをしてて良かった。

握りしめるひよこちゃんハンドタオルの吸水率はすでに50%を切っていただろう。

ようやく雨嘉さんの立ち位置が入れ替わり、遠のいていく。しかし、雨嘉さんだけではないのだ。

みんなが華麗に踊っている。みんなとは、なんと総勢23名…!

豪華絢爛…

ふつくしい…!

輝いている。

23名ものリリィたちが華々しくオープニングを飾ったのだった。

数々の手汗シーンを共に乗り越えてきた相棒。We will survive, ひよこちゃん!

そしてオープニングが終わると一転、岩田陽葵さん演じる梅様と、田中那実さん演じる祀様、武藤志織さん演じる麻嶺様の3人が佇む場面となり、本編が始まっていく。

祀様と麻嶺様についてはここで触れておくが、祀様は、浮足立つ一柳隊を冷静に援護する支柱的存在で、いてくれてありがとうと思った。麻嶺様は鋭い眼光が一見クールだが、心は熱いアーセナルで魅力的なキャラクターだった。

舞台の臨場感を目の当たりにする

やはり、舞台の醍醐味は臨場感だと思う。

目の前で見るキャラクターの表情。

特に梅様のこわばった顔の緊張感には凄みを感じた。梅様の普段のキャラクターは元気な女の子であり、演じる陽葵さんご自身も柔和な人である。それとのギャップが凄かった。あの陽葵さんの梅様が、苦虫を嚙み潰したように敵を睨みつけるのだ。

ギャップで言えば、星守紗凪さんと、彼女が演じる神琳さんも凄い。星守さん自身は普段とても明るい人なのに、神琳さんになると気品ある凛とした佇まいに激変する。まさに人が変わる。…演技ってすごい。

そして表情について言えば、やはり一番ゾッときたのは佃井皆美さんが演じる「御前」の笑みだ。あの綺麗な口元が二ヤりとするだけで悪魔的オーラが空間に染み出してくる。目の前でみるとその感覚が一層味わえた。

なつぽいさん演じるLの表情の変化も、近くで見るとよりグッとくるものがあった。美鈴様が入る瞬間だけクッと顔が変わる。あの変化をしっかりと前列で見られたのはありがたい。


表情に限らず、キャラクターの仕草もまた目の前で見ると味わい深い。

僕の場合、特にかわいさが際立って目に留まってしまった。

まずは、赤尾ひかるさん演じる梨璃さん。一柳隊の舞台1作目を初めて観たときは、そのぶりっ子感に一瞬躊躇したものだが、この仕草はかわい子ぶっている訳では決してないのだ。あの雰囲気こそ梨璃さんそのものなのである。「目の前であのふわっとした仕草と笑顔を見てみな!飛ぶぞ!」と言いたくなるくらい、今回の舞台でも愛くるしさを放出していた。

次に、高橋花林さん演じるぐろっぴ。重厚感あるCHARMを持つ姿がかわいいのだが、特にCHARMを床についてへっぴり腰で立ってる姿には強烈な愛らしさを感じてしまった。…しかし、あの激かわツインテール姿と、のじゃロリボイスに騙されてはいけない。オープニングとエンディングでダンスを踊る姿を目の前で見たら引くほどスタイルの良い美人さんなのである。

そして、西本りみさん演じる二水さん。目の前で見て改めて凄いと思ったのは、演劇中ずっと二水さんが二水さんだったことだ。へっぴり腰でふわふわした足取り。表情も下級生みがあふれてて、あわあわ感がすごかった。キャラクターの完成度に感嘆した。

さらに今回、思わず心を奪われそうになったのが、来夢さんである。目の前で見ると、ずっとふるふるしているのである。小鹿のような愛らしさ。特に、アステリオンを握りしめて「ヘルヴォルの藍ちゃん…!」と言うところ。キュンと来てしまったことは打ち明けざるを得ない。幸恵様になりたい。…だが、僕の推しは王雨嘉である。この感情はアステリオンの錯覚なのだ。

物語に没入する

舞台で観る物語は、その臨場感ゆえに、ずっしりとリアルな感情が伝わる。

僕が特にハッとなったのは雨嘉さんの気迫である。

普段物静かで、引っ込み思案な雨嘉さん。でも、琴陽の矛盾する態度を見続ける中でいよいよ我慢ならず、感情を爆発させるシーンだ。

CHARMを収めて琴陽の前に立ちふさがり、言い放つ。

「だったら…!殺せばいい…!」

琴陽は雨嘉さんに刃を向けるが、首元すれすれで手を止めてしまう。

そして雨嘉さんは言う。

「あなたにはできない…!死んだ者の苦しみ、恐怖、強化されたものの痛みも知っているあなたには、できない。そうでしょ」

憤怒と悲哀が入り混じったような、しかし分かってほしいんだという強い意志が伝わる震えた声。

上手側の座席からだと、その時の雨嘉さんの表情をしっかりと確認できた。

また、雨嘉さんの気迫同様、矢新愛梨さん演じる鶴紗さんにも心を動かされた。

同じ強化リリィとして、その苦しみを知るが故に感情がこみ上げ、琴陽を切りつける。ぶっきらぼうだった鶴紗がここまで感情むき出しに想いをぶつける姿は衝撃的である。

生々しく伝わる感情に、僕は思わず息をのんで、その場に居合わせているかのように舞台をじっと見たのだった。


また、今回の話で僕が一番グッときたのは、「御前」と、田上真里菜さん演じる琴陽が見せる悪の美学である。

物語の終盤、元の計画は完全に頓挫し、敗北を悟る「御前」。得も言われぬ笑みで一柳隊を送り出す。もう夢結は一柳隊に託す。…だがしかし、自分はあくまでも自分の信念に生き続ける。

そして琴陽は、その「御前」の目指す高みを共に見たいと言う。揺るぎない信念に基づいた絶対服従。

信念…純然たる正義を持ってこその悪である。

「琴陽、琴陽…!頑張れ、琴陽!!」


最後に、一番大事なのは楓さん。

目の前で見た、井澤美香子さん演じる楓さんのLost Memories……。そのペーソスは僕の涙腺を崩壊させた。(腹筋の誤りかもしれない)

エンディングで果てる

舞台の最後、照明が暗い中流れ始める『Neunt Praeludium』。

曲が配信されてから100万回は聞いたであろうそのイントロが耳に入ると、感動の根源とも思える熱さが胸にこみあげてくる。

舞台で心を揺さぶられた今、一番聞きたい曲がまさに目の前で流れ始めるのだ。

僕の脳ミソがまたくすぶり始める。

照明が明るくなると見えてくる一柳隊。

そして、上手側の座席にいた自分の目の前には…

雨嘉さん。

くるりと舞う。

「あふぅ…」

ある意味僕は力尽きた。

シュッ、シュッと腕を振り上げたと思いきや、ふわり…と降ろす。

「はぁ…」

悦。

これが…カタルシス。(エンディング中、以下同文。)

なお、このエンディング、残念ながらつむつむ降板以降、8人での歌唱となっていた。鶴紗さんの位置に照らされるスポットライトが、また得も言われぬ感情を呼ぶ。歌も相まって、これもまたカタルシスだった。

が、しかし、これはプレルディウムなのである…!(ポイこと言ったが、実はよく分かってない…!)

とかく、舞台のエンディングは、舞台上のキャラクターが凛々しく舞うというのが素晴らしい。音楽ライブでは出てこない深い感覚が味わえる。

カーテンコールで拍手する

ずっと拍手した。

ここに書ききれなかった素晴らしいシーン、見どころも沢山あった。キャストのみなさんお一人お一人に丁寧に拍手した。

千秋楽のご挨拶では笑いあり、涙ありで、ここでも色々感動した。はずだが、なにぶんエンディングで力尽きた自分の脳ミソには詳細が残されていない。ただ…叫んだり泣いたり、感情を揺さぶって揺さぶって演じる夢結をやり通した夏吉さんの姿が、異様なまでにイケメンに見えたことは覚えている。その姿を見ると、なるほど女子高生時代バレンタインのチョコを沢山もらったという話も納得である。

そして、キャストのみなさん全員での『大切を数えよう』。

ただただ優しい世界を、綺麗なキャストのみなさんを、満面の笑みで眺める。

僕のペンライトはにんじんにしてある。千秋楽は、とのぴーや星守さんと目があった(気がする)。他のキャストさんにもペンライトを振る。この充実感あふれるひとときを作り上げてくれたみんなに、感謝を込めて振る。

現実に帰る

最後の挨拶も終わり、キャストのみなさんが全員舞台から離れると、客席に明かりが灯り始める。

僕らは徐々に現実に戻されていく。

その瞬間から、さっきまで見ていた、目に焼き付けたはずの世界が過去になっていく。一秒一秒記憶は薄れていき、輪郭がぼやけていく。

電脳化して自分が見たままの景色を録画しておきたかったとも思う。

でも、どうだろう。

表面的な記憶は薄れていくだろうが、舞台を見て揺さぶられた感情、楽しかったという想い出自体は色あせないのではないだろうか。今、この文章を書いてても感じる。想い出そうとすればするほど、溢れ出してくる。

終演後のアナウンスを聞きながら、ペンライトを消す。リュックの中のペットボトルを取り出し、数時間ぶりの水を飲む。手汗を出し切った後の水は本当にうまい。そして今回も無事、途中でトイレに行かずに済んだ自分をほめる。

帰り際、スクリーンを見て、「ふっ、俺も同じだぜ(キリッ」とカッコつけ気味に思いながら、僕は劇場を後にした。

でも、本当にそう思っている。

コロナ禍において、色んな物事が不要不急として制限を受けてきた。自粛や要請という言葉の意味もすっかり変わってしまった。エンタメ業界も相当に制限を受けてきたし、制限が落ち着いても客足はまだ十分に戻ってきてはいないだろう。

でも、エンタメはなくならない。こうやって生きがいにしている人間は沢山いるからだ。生きるために必要で、自粛しようがない人たちが。だから、エンタメ業界で働く皆さんには、意義ある事としてこれからも目一杯活動してもらいたい。そのためにも、僕はエンタメを楽しもうと思う。

そして、その中でもアサルトリリィが、どんどん盛り上がっていくことを期待している。

…いずれ、アサルトリリィに関わったみんなで大きな青空を見上げられると、いいですね!