「あいつのことか。ああ、知っている。話せば長い……そう、古い話だ。」
「知ってるか?ファンは3つに分けられる。」
「ずっと応援し続ける人、仕事や家庭が忙しくなって離れていく人、段々興味が薄れていく人。この3つだ。」
「あいつは――」
彼は『楽しそうなやつ』と呼ばれた声優ファン。『彼』の相棒だった男。
『楽しそうなやつ』本名、ハンバーグモングラー。
ブシロードコンテンツ、ミルキィホームズのファン「ミルキアン」の1人。
そう、『彼』の相棒であり、ただの幼なじみでもある男。
「俺も興味が薄れていくはずだった。でも薄れなかった。痛む心を引きずってたどり着いた場所は、あのとのぴーのインスタライブだったんだ。」
「健気にファンに感謝を伝える光景。それが何だが、グッときてしょうがなかった。」
「そしてそこで、嬉しそうにしてるファンを見た。俺は彼らに助けられたんだ。」
「人生に推しなんて必要ないかもしれない。でも、仕事だけ頑張って何か変わるんだろうか。人生を変えるのは人を信じる力なんだろうな。信じ合えば憎悪は生まれない。でもそれが出来ないのも人だ。」
「俺はまだ現場に居る。この前は最前だった。」
「確かめたいんだ。声優ファンの意味を。そしてそこで生きる人間の意志を。ここに答えなど無いのかもしれない。 でも探したいんだ。そう。今はそう思う、それでいいと思う。」

「このブログは、あいつも見るのか?会ったら伝えてくれ。」
「よう相棒、まだ生きてるか?ありがとう戦友、またな。」
とある声優ファン。
2010年代の声優ファン界隈を駆け抜け、ミルキィとμ’sの狭間で生きた戦士。
『彼』はたった数年の間だけ、現場に存在していた。
その後の趣味は不明。ついにその人間性までは迫ることが出来なかった。
ただ『彼』の話をするとき、バーグは少しニヤニヤした顔をしていた。
それが、答えなのかもしれない。

